基準点測量

地籍調査の一環として、位置の基準を確立する目的で基準点の設置と測量が求められます。
国土調査法の下で、国は基本調査として基準点測量を実行し、その一環として四等三角点を設置しています。
四等三角点の設置は、市町村などの要望に応じて、地籍調査が行われる予定の地区に、原則として地籍調査の前年度に行われます。
これらのタスクは、国土地理院または国土地理院から委託を受けた測量専門家によって実施されています。
四等三角点の設置密度は地域によって異なり、都市部ではおおよそ1平方キロメートルあたり1点、山間部では約4平方キロメートルあたり1点の割合で設置されています。
時点までに、合計で65,000点以上の四等三角点が設置されており、これにより地籍調査の精度と効率が大きく向上しています。

地形測量

地形測量は、地形図や平面図を作成する目的で行われる測量で、主に土地の標高や起伏、そして建物や道路、鉄道などの配置、土地利用の状況を測定します。
この測量は基準点測量で定められた基準点を基にして行われ、細部測量に分類されます。地形測量は、以前は平板測量で行われていましたが、空中写真測量の普及に伴い、写真測量が主流となりました。
特に、大縮尺の地形図作成には平板測量、小縮尺の地形図作成には空中写真測量が利用されていました。
現在では、平板測量はほとんど行われず、写真測量は空中写真だけでなく、衛星画像や地上撮影の写真を使用した近接写真測量も行われています。
さらに、トータルステーション、レーザスキャナ、そしてGNSS(衛星測位)による測量も行われており、複数の測量方法が組み合わせられて地形測量が行われることもあります​。

応用測量

応用測量は、基本測量や公共測量の技術を公共事業に活用する測量の分野であり、これには路線測量、用地測量、河川測量などが含まれます​。
応用測量は測量全般の応用または総合として、鉄道、道路、港湾、河川、宅地、トンネル、森林、鉱山などの設計、工事、管理のために行われ、曲線設置、縦横断測量、面積および体積測定、流量測定、深浅測量、地下測量などが実施されます​​。
これらの測量活動は、基本測量成果、基準点測量、水準測量、地形測量の成果を利用して行われます​。
測量技術の応用は、プロジェクトの計画、設計、および実施段階で重要な役割を果たし、さまざまな測量方法を組み合わせることでプロジェクトを遂行します。

GNSS測量

GNSS(Global Navigation Satellite System、全球衛星測位システム)測量は、地球上の任意の位置を測定するために、衛星からの信号を利用する測量技術です。
GNSS測量は、GPS(アメリカのシステム)、GLONASS(ロシアのシステム)、Galileo(ヨーロッパのシステム)、およびBeiDou(中国のシステム)など、各国の衛星ナビゲーションシステムを利用できます。
GNSS測量の利点は、高い位置精度を提供し、リアルタイムまたはポストプロセスで位置情報を取得できることです。
これにより、土地測量、道路や橋の建設、航空・海洋ナビゲーション、災害時の緊急対応、および農業など、多くの分野で広く利用されています。
GNSS測量機器は、ポータブルで利用が簡単で、広範囲の地域での測量が可能であり、天候条件に関係なく高い精度で位置情報を提供できます。
また、GNSS測量は時間とコストを節約し、効率的な測量ソリューションを提供します。

UAV測量

UAV(Unmanned Aerial Vehicle、無人航空機)測量は、ドローンや他の無人航空機を使用して地上の地形や物件を測定する近代的な測量技術です。
UAV測量は、高解像度のカメラやセンサーを搭載したドローンを飛ばし、地上の写真や3Dモデルを作成することで、土地の特徴や構造を捉えます。
UAV測量の利点は、迅速かつ効率的に広範囲の地域を測定できること、アクセスが困難な場所や危険な場所でも安全に測量できること、そして高い空間解析能を提供することです。
また、UAV測量はコスト効率が高く、従来の測量方法に比べて時間とリソースを節約できます。

UAV測量は、土地測量、農業、環境モニタリング、建設、災害評価、および考古学的調査など多くの分野で利用されています。
この技術は、測量の効率と精度を大幅に向上させ、現場作業の安全性と効率性を向上させることができます。
最新のUAV技術は、測量の未来を形作る重要な要素となっています。

3D測量

3D測量は、物件や地形の三次元(3D)データを収集する測量技術です。これには、レーザースキャンニング、写真測量、そしてUAV(無人航空機)測量などの方法が利用されます。
3D測量は、現実の物件や地形を高精度で3Dモデルとしてデジタル化し、その形状、位置、および他の属性を正確に表現します。
3D測量の利点は、高い精度と詳細な3Dデータを迅速に提供できること、アクセスが困難または危険な場所でも測量が可能であること、そして従来の2D測量に比べて多くの情報を提供できることです。
さらに、3D測量は効率的でコスト効果が高く、現場の状況をリアルタイムで視覚化できます。
3D測量は、建設プロジェクト、土地測量、考古学的調査、環境モニタリング、および都市計画など多くの分野で利用されています。
データは、設計、分析、シミュレーション、およびプロジェクトのドキュメンテーションに利用され、プロジェクトの精度と効率を向上させることができます。